リチウムイオン電池モジュール周辺部品で活用される
PP樹脂コンパウンド『ダイセルPP』製品

トピックス

ポリプロピレン(PP)樹脂は最も密度が小さく軽量な熱可塑性樹脂のひとつで、スチレン系樹脂・ポリエステル系樹脂等と比較して耐薬品性が高い傾向にあり、比較的安価でもあることから様々な分野で利用されています。
ダイセルミライズは独自のコンパウンド技術によりこのPP樹脂をベースとして、フィラー強化・難燃性付与・導電性付与等を施した高機能性樹脂コンパウンド『ダイセルPP』を製品展開しています。

今回はPP樹脂コンパウンドのメリットと、リチウムイオンバッテリー(LIB)モジュール周辺部品で活用される『ダイセルPP』製品を紹介します。

1. PP樹脂コンパウンドのメリット

表1:各種樹脂の密度と耐薬品性の傾向

PP PBT PC m-PPE
密度 [g/cm3] 0.9 1.3 1.2 1.06
薬品分類
アルカリ × ×
有機溶剤 × ×
油類

表1に各種樹脂の密度と耐薬品性の傾向をまとめます。

他の樹脂と比較して、PP樹脂は密度が小さく、また多様な薬品に対する耐性に優れることがわかります。
低密度であることは、同じ形状の成形体であれば、他の樹脂を使用する場合より軽量化が可能で、重量基準でみると樹脂使用量及びコストの削減につながります。

エンプラ製品の代替提案

PP樹脂をベースとした樹脂コンパウンド製品においても、このような傾向は特徴として引き継がれるため、エンプラベースの樹脂コンパウンド代替品としてご検討いただくことが可能です。

2. リチウムイオン電池モジュール周辺部品で活用される
PP樹脂コンパウンド『ダイセルPP』

リチウムイオン電池は近年モジュール化による大型化・高出力化が進み、
電動車両の駆動用電源や、自然エネルギー発電における
送電安定化のための蓄電池などに利用の幅が広がっています。

当社のコンパウンド技術によって機能性を付与したPP樹脂コンパウンド『ダイセルPP』製品は、リチウムイオン電池モジュールにおける各部品の要求性能に合わせた材料の提案が可能です。

例えば、バッテリーモジュールユニット(BMU)やバスバー周辺部品では、ヒンジ特性を生かした非強化タイプの難燃グレード『PNAK2』『PNAH5』が利用できます。前者はハロゲン系難燃タイプ、後者は非ハロゲン系難燃タイプであり、燃焼挙動の特性による使い分けが可能です。両者は難燃特性により、風力発電用の蓄電設備向けLIBモジュール筐体で採用されました。

他には導電グレードのラインナップがあり、電磁波シールド(EMC)機能を補強することも可能です。バスバー周辺部品に向けては、銅害防止グレード『PG1K1』もラインナップしています。ダイセルPP製品群では、黒色やオレンジ色等調色が容易です

想定部品 グレード(例) 樹脂特性

BMU
PNAK2, PNAH5 ・難燃性 ・ヒンジ特性
PBG276, PB2N1 ・EMC対応(導電性)

バスバーカバー
PNAK2, PNAH5 ・難燃性 ・良成形性 ・ヒンジ特性
PG1K1 ・銅害防止対応

スペーサーやケース部品には、フィラー強化グレードを提案します。『PG6N1R』グレードはガラス短繊維強化品、『PT8N1』はタルク高充填グレードであり、薄肉成形を可能とする十分な流動性を備えています。

想定部品 グレード(例) 樹脂特性

スペーサー
PG6N1R, PT8N1 ・剛性(フィラー強化) ・良成形性 ・長期耐久性

ケース
PG6N1R, PT8N1 ・剛性(フィラー強化) ・耐疲労性
PG5N5 ・難燃性 ・剛性(フィラー強化)

ダイセルPPでは、難燃グレード中心にUL94規格認証を取得しています。また『PG6N5』グレードは、とくに車載バッテリーパック筐体または周辺部品向けとして、最近開発した高難燃グレードです。このグレードについては2022年1月の記事で詳細に解説していますので、そちらも是非ご参照ください。

https://www.daicelmiraizu.com/topics/3649/

表2:ダイセルPP 代表グレード基本物性

一般 難燃 導電
(EMC対応)
非ハロゲン系難燃 ハロゲン系難燃
タルク強化 GF強化 非強化 CB配合 CF強化
特性 測定方法 測定条件 単位 PT8N1 PGN1R PG6N5 PNAH5 PNAS2 PNAK2 PB2N1 PBG276
MFR ISO1133 230℃
/2.16kg
g/10min 12 4 8 13 21 11 8
引張強さ ISO527 MPa 25 85 82 20 28 32 30 50
曲げ強さ ISO178 MPa 41 130 132 35 45 48 36 75
曲げ弾性率 ISO178 GPa 4000 6000 8700 2200 1800 1900 1600 10500
シャルピー

衝撃強さ
ISO179/1eA
(ノッチ付)
23℃ kJ/m2 4 13 10 2.7 4 3 15 4.5
荷重

たわみ温度
ISO75 0.45MPa 133 160 160 116 108 110 92 143
燃焼性 UL94 HB V-0

/1.5mm
V-0相当
/1.5mm
V-0
/0.75mm
V-0
/0.75mm
体積抵抗率 ASTM D991 Ω・m 1×100 5×10-2
表面抵抗率 ASTM D991 Ω 1×102 1×102
密度 ISO1183 g/cm3 1.22 1.12 1.30 1.05 1.02 1.07 1.02 1.01

今後ますます需要が高まるリチウムイオンバッテリーモジュールの
周辺部材向け樹脂材料として、
各部品の要求性能に合わせた『ダイセルPP』製品を紹介しました。

他にも多種グレードを取り揃えており、個別開発のご相談も可能です。

詳しくは、以下お問い合わせより
「成形加工用樹脂コンパウンド…」を選択し、ご相談ください。

 
 

新役員のご案内

お知らせ

このたび弊社では役員改選を行い、下記のとおり就任いたしました。

なにとぞご高承のうえ今後とも一層のご指導ご支援を賜りますよう宜しくお願い申し上げます。

代表取締役
社長
山門征司 
取締役 井元和彦 
取締役 古山久男 
社外取締役 児島秀景  株式会社ダイセル
社外取締役 立川真治  株式会社ダイセル
社外取締役 塩飽俊雄 (再任) 株式会社ダイセル
取締役 植野真治 
社外監査役 井口友二  株式会社ダイセル
社外監査役 髙橋 清  株式会社ダイセル

また、執行役員につきましては次のとおりでございますので、何卒ご高承賜りますよう
お願い申し上げます。

社長執行役員 山門征司  事業推進本部担当 兼 品質監査室担当
執行役員 古山久男  事業支援本部本部長
執行役員 間下隆行  戦略企画部部長
執行役員 植野真治  レジン事業本部本部長
執行役員 廣瀨洋司  Daicel Miraizu(Thailand)Co., Ltd. 社長
執行役員 井元和彦  コンシューマー事業本部本部長
執行役員 濱崎直人  コンシューマー事業本部副本部長
兼 WSP営業部部長
執行役員 吉村勝行  コンシューマー事業本部副本部長
兼 コーティング営業部担当

敬具

2023年6月吉日

代表取締役社長 山門 征司

第35回『日本ものづくりワールド 機械要素技術展』に出展します

展示会

第35回『日本ものづくりワールド 機械要素技術展』が、
2023年6月21日(水)から23日(金)までの3日間、東京ビッグサイトで開催されます。

本展示会は製造業の「短期開発、生産性向上、品質向上、VA/VE、コストダウン」などに寄与することを
目的に開催しており、10展の専門展で構成されています。

主な出展製品は製造業で使われる、IT、DX製品、部品、設備、装置、計測製品などです。
 

本展示会におきまして、当社より
金属 / 異種材料接合技術 DLAMP®』の紹介と新用途の提案を行います。
皆さまのご来場、心よりお待ちしております。

個人情報保護方針、
個人情報の取り扱いに関するご案内はこちら 

 

第35回『日本ものづくりワールド』に出展します
第35回『日本ものづくりワールド』公式ページ
 
 
関連リンク:金属/異種材料接合技術 DLAMP®︎

エマルジョン製品、価格改定(追加)のお願い

お知らせ

電力などのエネルギーコストや物流費および、一部原材料のサプライヤーの生産コストアップ等により
価格の上昇が続いております。そのような中、安定調達の継続の為には再度、価格改定をお願いせざるを得ないとの
結論に至りましたので、ご連絡申し上げます。

今後も徹底したコストダウンに取り組み、安定供給を継続してまいります。

エマルジョン製品、価格改定(追加)のお願い

サーバーメンテナンスのお知らせ

お知らせ

平素はダイセルミライズサイトをご利用いただき誠にありがとうございます。
 
下記におきましてサーバーのメンテナンスを実施いたします。
メンテナンス作業中において、サイトにつながりにくい場合がございます。
何卒ご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。
 
 
【メンテナンス実施日時】
2023年05月26日(金) ~ 2023年05月28日(日)
※作業の状況により終了が前後することがございます。
 
ダイセルミライズ株式会社
[代表番号]TEL 03-6711-8510 / FAX 03-6711-8516
[コーティング営業部]TEL 03-6711-8511
[レジン営業部]TEL 03-6711-8512
[ケミカル・WSP・産業資材・ハウスホールド営業部]TEL 03-6711-8513 / FAX 03-6711-8515(受注専用)

当社製品における第三者認証に関する不適切行為について(第7報)

お知らせ

2022年11月18日に公表しました通り、当社のUL認証における不適切行為に関連し、ISO(国際標準化機構)の登録認証機関である一般財団法人日本品質保証機構(以下「JQA」)より、株式会社ダイセル広畑工場が取得しているISO9001: 2015※ 認証のうち、一部の組織およびプロセスを認証対象から除外する旨の通知を受けておりました。

本件に関し、この度、JQAによる変更審査を受審した結果、2023年4月14日付けで、同組織およびプロセスについて認証対象とする旨の通知を受領しましたので、お知らせいたします。

本不適切行為に関し、お客様をはじめ関係者の皆様に多大なご心配とご迷惑をおかけしますことを、あらためて深くお詫び申し上げます。

当社は、有識者による調査委員会より提言を受けた10項目の再発防止策を基に、引き続き実効的な再発防止を図ることで、お客様をはじめ社会の皆さまからの信頼回復に努めてまいります。

※ 品質マネジメントシステムに関する国際規格

1.通知の内容

ISO9001 認証範囲の一部変更

2.適用規格

ISO9001: 2015

3.登録番号

JQA-QM4647

4.認証対象となる組織及びプロセス

対象組織:ダイセルミライズ株式会社 事業推進本部 広畑R&Dセンター
 対象プロセス:「SAN樹脂、コンパウンド製品の設計・開発」および
        「SAN樹脂、コンパウンド製品(ダイセルミライズ製品)の製造」

5.認証変更となる日

2023年4月14日

以上

フィルム価格改定のお願い

お知らせ

原燃料価格の高騰に伴い、自助努力だけでは吸収しきれず、
添付の通り価格改定をお願い申し上げる事となりましたので、ご連絡します。

今後も徹底したコストダウンに取り組み、安定供給を継続してまいります。

フィルム価格改定のお願い

当社製品における第三者認証に関する不適切行為について(第6報)

お知らせ

2022年7月11日に公表しましたUL認証における不適切行為に関しまして、再登録の申請を行うグレードをご連絡させていただきましたが、一部の再登録申請グレードについて訂正がございますので、下記リンクの通りご連絡申し上げます。

お客様をはじめ関係者の皆様に多大なご心配とご迷惑をおかけしておりますこと、改めて深くお詫び申し上げます。

以上

当社製品における第三者認証に関する不適切行為について(第5報)

お知らせ

2022年7月11日に公表しましたUL認証における不適切行為をうけて、株式会社ダイセルにより社外の有識者から構成される調査委員会が設置され、本件不適切行為の事実関係、他子会社でのUL認証に関連する類似案件の有無を調査及びこれらの行為の原因分析及び再発防止策の提言等を委任しておりました。その結果同委員会から調査報告がなされ、2023年1月10日に株式会社ダイセルのホームページで調査報告書が公表されております事をご報告申し上げます。

私共は当該会社として、この調査報告書での指摘や再発防止への提言を真摯に受け止めるとともに、同時に宣言されたダイセルグループ全体としての不適切行為からの決別を実行して参ります。

本件ではお客様をはじめ関係者の皆様に多大なご心配とご迷惑をおかけしましたことを、あらためて深くお詫び申し上げますとともに、再発防止策の徹底とコンプライアンス強化を図り、お客様をはじめ社会の皆さまからの信頼回復に努めてまいります。

尚、上記調査報告書につきましては、こちらをご確認下さい。

以上

お問い
合わせは
こちら