電子機器やシステムの
ノイズ対策・EMC対策に寄与するプラスチック材料

トピックス

電子機器やシステムを不要電波から保護し正常に動作させるため、ノイズ抑制・EMC対策は欠かせません。
樹脂材料は通常導電性がなく、このような用途に適しませんが、導電性フィラーを配合させたり、特殊な表面処理を施すことにより特定周波数の放射波に対する電磁波シールド性能を発現させることが可能です。

金属材料に替えて、電磁波シールド性能を有する樹脂材料を使用することで、各種部品の軽量化や、金属部品では複数となる部品類の一体成形自由度の高い三次元的な賦形が可能となります。
モビリティ分野では、今後ますます発展する自動運転支援システムの安定化・高度化にも貢献します。

1. 樹脂材料への
電磁波シールド性付与

樹脂材料への導電性付与
炭素繊維のような導電性物質をコンパウンド配合することにより可能です。

導電性が発現し、
成形物が不要輻射となる電磁波を主に反射することで
透過波を減衰させ電磁波シールド性を発揮します。

表1は当社の炭素繊維強化樹脂コンパウンド製品の例です。導電性は炭素繊維の濃度に起因しますので、ベース樹脂は用途に合わせて比較的自由に選択することが可能です。

表1:セビアン・ノバロイ・ダイセルPP 炭素繊維強化導電グレード

特性 測定方法 測定条件 単位 セビアン ノバロイ ノバロイ ダイセルPP
ABS樹脂, 一般 PC/ABS樹脂, 難燃 PA/ABS樹脂, 一般 PP樹脂, 一般
VCF20 KF3020 AC2604 PBG276
成形収縮率 ASTM D955 % 0.1 – 0.4 0.1 – 0.4 0.2 – 0.5
引張強さ ISO 527 MPa 50 130 150 50
曲げ強さ ISO 178 MPa 90 180 240 75
曲げ弾性率 ISO 178 MPa 9,500 14,000 13,000 10,500
ノッチ付き
シャルピー衝撃強さ
ISO 179/1eA 23℃ kJ/m2 6 6 10 4.5
荷重たわみ温度 ISO 75 1.80MPa 97 125 200
0.45MPa 143
燃焼性 UL94 HB V-0/1.6mm(NC,BK) HB
体積抵抗率 ダイセル法 Ω·m 3×10-2 1×10-1 2×10-2 5×10-2
表面抵抗率 ダイセル法 Ω 2×101 4×101 5×100 1×102
密度 ISO 1183 g/cm3 1.15 1.34 1.17 1.01

* ISO等の公的規格の試験方法はその規格に準拠しています。
* これらの数値は代表値であって、品質保証値ではありません。
* 抵抗率は、当社法(2端子法)によって測定しました。
* UL認定ファイルNo.は、E47773です。
* UL認定色毎に色材配合の制限があります。制限の詳細についてはお問い合わせください。

図1は ノバロイAC2604(タイプP)[PA/ABS/CF20%]平板状成形物の電磁波シールド性評価として、KEC法によるシールド効果(SE)の測定結果を示したものです(0.1~1000MHz,電界)。

シールド効果は図2のような計算式で算出されます。Ei,Etはそれぞれ入射電波・透過電波の電界強度です。

シールド効果の単位はdB(デシベル)が使用されます。
これは電磁波の試料透過前後の電界強度比Et/Eiを対数表記したもので、電磁波がどの程度減衰したかを相対的に表します。
dBの値と遮へい率(%)の相関性は図2右枠内の関係となります。

図1:AC2604(P)グレードの電磁波シールド性(KEC法,電界)

図1の点線はKEC法における近傍界電界の測定限界を表していますが、このプロットにおいてシールド効果は伝送線路理論に基づくと直線的に左上がりとなり、100MHz以下の領域では40dB以上のシールド効果が得られているとみなせます。

図2:シールド効果(SE)の計算式

このような樹脂製品を利用すれば、
センサー近傍機器への電波障害・ラジオノイズ抑制が期待できます。

例えば表1のセビアン VCF20[ABS/CF20%]センサー部品の筐体材料として長く使用されています。

2. 準ミリ波・ミリ波帯の
電磁波シールド

近年、自動車の衝突予防安全システムの一部として
ミリ波レーダーセンサー
車両前方や後方の各所に設置されるようになっています。

図3:ミリ波レーダー不要輻射のシールド

ミリ波レーダー装置において意図しない方向の不要電波を遮へいし誤検知を防止する目的で、図3のようなミリ波レーダーカバーを、バンパー部品などの外装部品と一体化して設置することも可能です。
このような方法でミリ波レーダー検知の精度向上を図れます。

この場合、使用される電波の周波数が79GHz, 76GHz, 24GHzのような高周波数帯です。

炭素繊維強化導電グレードは、
準ミリ波・ミリ波帯の電磁波シールドにも有効です。

図4:ミリ波領域におけるPBG276グレードの電磁波シールド性

図4に ダイセルPP PBG276[PP/CF20%](表1)の平板状成形品ミリ波領域における電磁波シールド性を示します。

図5のように広帯域ホーンアンテナを対向させ中央に測定試料を配置することで、放射電波送受信による遠方界電磁波反射・透過係数測定を行いました。

図5:高周波電磁波シールド性評価

PBG276 を用いると周波数領域で非常に高い電磁波シールド性が得られるだけでなく、炭素繊維の配合量を減らすことも可能と考えられます。

準ミリ波・ミリ波帯域の電磁波シールド性能に特化すれば、
より低コストで製品を提供できる可能性があります。

3. 磁界低周波数帯の
電磁波シールド

樹脂材料への炭素繊維の配合は電界波のシールドには有効ですが、インバーターやモーター近傍に生じる磁界低周波の放射ノイズに対するシールド性能はほぼゼロとなります。

このような場合は例えば
パーマロイのような軟磁性金属材料
射出成形品の表面にめっき加工する方法

が有効です。

PP樹脂は低密度で軽量性がありモビリティ向け材料として最適ですが、一般的にPP樹脂は耐薬品性が高く、ABS樹脂等とは異なり、難めっき材料の一つに位置付けられます。

当社では
エッチング処理の可能な樹脂コンパウンド
『ダイセルPP PDG099』
を開発し、

塚田理研工業株式会社・吉野電化工業株式会社と共同で、
めっき表面処理によって磁界低周波領域において
良好な電磁波シールド性が得られる
ことを
見出しました。

図6:PDG099グレードの電磁波シールド性(KEC法,磁界)

表2には、PDG099グレードのめっき前後の機械特性を示します。めっき後は耐熱性や剛性が向上します。

PDG099成形品のめっき処理品は、KEC法による電磁波シールド性試験(図6)では10MHzにおける磁界波シールド性が無電解めっきで約30dBに達し厚膜化が容易な電気めっきでは測定限界線に近い性能を示しました。

表2:ダイセルPP PDG099の基本特性

特性 測定方法 測定条件 単位 ダイセルPP めっき後
めっき用 PP/GF20% 無電解
めっき
電気
めっき
PDG099
引張強さ ISO 527 MPa 64 64 72
曲げ強さ ISO 178 MPa 102 102 145
曲げ弾性率 ISO 178 MPa 6,100 6,200 11,200
ノッチ付き
シャルピー衝撃強さ
ISO 179/1eA 23℃ kJ/m2 8
荷重たわみ温度 ISO 75 1.80MPa 144 155 160
0.45MPa 160 160 160
密度 ISO 1183 g/cm3 1.17

* ISO等の公的規格の試験方法はその規格に準拠しています。
* これらの数値は代表値であって、品質保証値ではありません。

以上のように、
様々な周波数帯における電子機器やシステムのノイズ抑制・EMC対策向け
樹脂コンパウンド製品を紹介致しました。

詳しくは、以下お問い合わせより
「成形加工用樹脂コンパウンド…」を選択し、ご相談ください。

 

『IPF Japan 2023 国際プラスチックフェア』に出展します

展示会

プラスチックとゴムにフォーカスした日本最大級のものづくり専門展
IPF Japan 2023国際プラスチックフェア』が、
2023年11月28日(火)から12月2日(土)までの5日間、幕張メッセで開催されます。

 
本展示会は、原材料からリサイクル までプラスチックとゴムに関する原材料、
機械、金型、製品、リサイクル機器、受託加工などの全プロセスを網羅する国内最大級の専門展
です。

日本全国はもちろん、アジアを中心 に世界中から業界関係者が3年に一度、一堂に会する展示会であり、
出展社数700社以上、来場者数4万人以上という規模で行われます。

 
本展示会におきまして、大成プラス株式会社ブース内にて当社から、
DLAMP®紹介、水冷ジャケット・バスバーなどの
金属(金属・セラミック・磁石)/異種材料(樹脂・ゴム・接着剤・鋳造金属)の接合サンプル
の展示を行います。
皆さまのご来場、心よりお待ちしております。

『IPF Japan 2023 国際プラスチックフェア』に出展します
『IPF Japan 2023 国際プラスチックフェア』公式ページ
 

関連リンク:金属/異種材料接合技術 DLAMP®︎
 

『JAPAN PACK 2023 日本包装産業展』に出展します

展示会

「未来への包程式-当たり前のその先へ-」をテーマに
JAPAN PACK 2023 日本包装産業展』が、
2023年10月3日(水)から6日(金)までの4日間、東京ビッグサイトで開催されます。

製造加工から計量・充填・包装・印刷・印字・検査・梱包といった製造ライン全体における
さまざまな分野の新製品や新技術および新システムなどが国内外から多数集結する総合展で、
1964年の第1回展以来、今回で34回目を迎えます。

 
当社ブースでは、新製品であるポリプロピレンバリアフィルムの『ハイバリア』『レトルト・ボイル』グレードを初展示致します。
皆さまのご来場、心よりお待ちしております。

『JAPAN PACK 2023 日本包装産業展』に出展します
『JAPAN PACK 2023 日本包装産業展』公式ページ
 
 
関連リンク:コーティング営業部 バリアフィルム

第3回『サステナブルマテリアル展』に出展します

サステナビリティ

第3回『サステナブルマテリアル展』が、
2023年10月4日(水)から6日(金)までの3日間、幕張メッセで開催されます。

本展示会は、生分解性樹脂やセルロースなどの環境配慮型素材の他、リサイクル可能材料など
サーキュラーエコノミーの実現に向けた技術、資源、材料が一堂に集まる、
世界最大規模の『サステナブルマテリアルの総合展』です。

 
本展示会におきまして、当社より
バイオポリアミド樹脂コンパウンド、アルミ蒸着・透明蒸着OPPフィルム、微小繊維状セルロース(ナノセリッシュ)を紹介します。
皆さまのご来場、心よりお待ちしております。

第3回『サステナブルマテリアル展』に出展します
第3回『サステナブルマテリアル展』公式ページ
 
 
関連リンク:コーティング営業部 バリアフィルム

リチウムイオン電池モジュール周辺部品で活用される
PP樹脂コンパウンド『ダイセルPP』製品

トピックス

ポリプロピレン(PP)樹脂は最も密度が小さく軽量な熱可塑性樹脂のひとつで、スチレン系樹脂・ポリエステル系樹脂等と比較して耐薬品性が高い傾向にあり、比較的安価でもあることから様々な分野で利用されています。
ダイセルミライズは独自のコンパウンド技術によりこのPP樹脂をベースとして、フィラー強化・難燃性付与・導電性付与等を施した高機能性樹脂コンパウンド『ダイセルPP』を製品展開しています。

今回はPP樹脂コンパウンドのメリットと、リチウムイオンバッテリー(LIB)モジュール周辺部品で活用される『ダイセルPP』製品を紹介します。

1. PP樹脂コンパウンドのメリット

表1:各種樹脂の密度と耐薬品性の傾向

PP PBT PC m-PPE
密度 [g/cm3] 0.9 1.3 1.2 1.06
薬品分類
アルカリ × ×
有機溶剤 × ×
油類

表1に各種樹脂の密度と耐薬品性の傾向をまとめます。

他の樹脂と比較して、PP樹脂は密度が小さく、また多様な薬品に対する耐性に優れることがわかります。
低密度であることは、同じ形状の成形体であれば、他の樹脂を使用する場合より軽量化が可能で、重量基準でみると樹脂使用量及びコストの削減につながります。

エンプラ製品の代替提案

PP樹脂をベースとした樹脂コンパウンド製品においても、このような傾向は特徴として引き継がれるため、エンプラベースの樹脂コンパウンド代替品としてご検討いただくことが可能です。

2. リチウムイオン電池モジュール周辺部品で活用される
PP樹脂コンパウンド『ダイセルPP』

リチウムイオン電池は近年モジュール化による大型化・高出力化が進み、
電動車両の駆動用電源や、自然エネルギー発電における
送電安定化のための蓄電池などに利用の幅が広がっています。

当社のコンパウンド技術によって機能性を付与したPP樹脂コンパウンド『ダイセルPP』製品は、リチウムイオン電池モジュールにおける各部品の要求性能に合わせた材料の提案が可能です。

例えば、バッテリーモジュールユニット(BMU)やバスバー周辺部品では、ヒンジ特性を生かした非強化タイプの難燃グレード『PNAK2』『PNAH5』が利用できます。前者はハロゲン系難燃タイプ、後者は非ハロゲン系難燃タイプであり、燃焼挙動の特性による使い分けが可能です。両者は難燃特性により、風力発電用の蓄電設備向けLIBモジュール筐体で採用されました。

他には導電グレードのラインナップがあり、電磁波シールド(EMC)機能を補強することも可能です。バスバー周辺部品に向けては、銅害防止グレード『PG1K1』もラインナップしています。ダイセルPP製品群では、黒色やオレンジ色等調色が容易です

想定部品 グレード(例) 樹脂特性

BMU
PNAK2, PNAH5 ・難燃性 ・ヒンジ特性
PBG276, PB2N1 ・EMC対応(導電性)

バスバーカバー
PNAK2, PNAH5 ・難燃性 ・良成形性 ・ヒンジ特性
PG1K1 ・銅害防止対応

スペーサーやケース部品には、フィラー強化グレードを提案します。『PG6N1R』グレードはガラス短繊維強化品、『PT8N1』はタルク高充填グレードであり、薄肉成形を可能とする十分な流動性を備えています。

想定部品 グレード(例) 樹脂特性

スペーサー
PG6N1R, PT8N1 ・剛性(フィラー強化) ・良成形性 ・長期耐久性

ケース
PG6N1R, PT8N1 ・剛性(フィラー強化) ・耐疲労性
PG5N5 ・難燃性 ・剛性(フィラー強化)

ダイセルPPでは、難燃グレード中心にUL94規格認証を取得しています。また『PG6N5』グレードは、とくに車載バッテリーパック筐体または周辺部品向けとして、最近開発した高難燃グレードです。このグレードについては2022年1月の記事で詳細に解説していますので、そちらも是非ご参照ください。

https://www.daicelmiraizu.com/topics/3649/

表2:ダイセルPP 代表グレード基本物性

一般 難燃 導電
(EMC対応)
非ハロゲン系難燃 ハロゲン系難燃
タルク強化 GF強化 非強化 CB配合 CF強化
特性 測定方法 測定条件 単位 PT8N1 PGN1R PG6N5 PNAH5 PNAS2 PNAK2 PB2N1 PBG276
MFR ISO1133 230℃
/2.16kg
g/10min 12 4 8 13 21 11 8
引張強さ ISO527 MPa 25 85 82 20 28 32 30 50
曲げ強さ ISO178 MPa 41 130 132 35 45 48 36 75
曲げ弾性率 ISO178 GPa 4000 6000 8700 2200 1800 1900 1600 10500
シャルピー

衝撃強さ
ISO179/1eA
(ノッチ付)
23℃ kJ/m2 4 13 10 2.7 4 3 15 4.5
荷重

たわみ温度
ISO75 0.45MPa 133 160 160 116 108 110 92 143
燃焼性 UL94 HB V-0

/1.5mm
V-0相当
/1.5mm
V-0
/0.75mm
V-0
/0.75mm
体積抵抗率 ASTM D991 Ω・m 1×100 5×10-2
表面抵抗率 ASTM D991 Ω 1×102 1×102
密度 ISO1183 g/cm3 1.22 1.12 1.30 1.05 1.02 1.07 1.02 1.01

今後ますます需要が高まるリチウムイオンバッテリーモジュールの
周辺部材向け樹脂材料として、
各部品の要求性能に合わせた『ダイセルPP』製品を紹介しました。

他にも多種グレードを取り揃えており、個別開発のご相談も可能です。

詳しくは、以下お問い合わせより
「成形加工用樹脂コンパウンド…」を選択し、ご相談ください。

 
 

第35回『日本ものづくりワールド 機械要素技術展』に出展します

展示会

第35回『日本ものづくりワールド 機械要素技術展』が、
2023年6月21日(水)から23日(金)までの3日間、東京ビッグサイトで開催されます。

本展示会は製造業の「短期開発、生産性向上、品質向上、VA/VE、コストダウン」などに寄与することを
目的に開催しており、10展の専門展で構成されています。

主な出展製品は製造業で使われる、IT、DX製品、部品、設備、装置、計測製品などです。
 

本展示会におきまして、当社より
金属 / 異種材料接合技術 DLAMP®』の紹介と新用途の提案を行います。
皆さまのご来場、心よりお待ちしております。

個人情報保護方針、
個人情報の取り扱いに関するご案内はこちら 

 

第35回『日本ものづくりワールド』に出展します
第35回『日本ものづくりワールド』公式ページ
 
 
関連リンク:金属/異種材料接合技術 DLAMP®︎

バイオ由来素材を活用した樹脂コンパウンド製品

サステナビリティ

ダイセルミライズは日々多様化・複雑化・高度化していく市場ニーズに対応する高機能性樹脂コンパウンド製品を展開しています。用途実績は、自動車・日用品・家電OA・スポーツ等 幅広い分野にわたります。

今回はバイオ由来の素材を活用した機能性コンパウンド製品を紹介します。

1. 高機能PAコンパウンド樹脂『ダイセルPA』における
植物由来ポリアミドの活用

ダイセルPA』は、要求特性に応じて各種ポリアミド(PA)樹脂の特性
生かしながら設計開発したコンパウンド製品です。

植物由来ポリアミドも積極的に活用しており、高性能化・高機能化が可能です。
以下では実際に採用されている製品例を挙げて説明します。

[製品例1]ダイセルPA XBG828:
植物由来ポリアミドベース
高剛性グレード

XBG828は植物由来ポリアミドPA610樹脂の低吸水性を生かしつつ、カーボン繊維を高濃度配合することで機械強度と寸法安定性を向上させた高剛性グレードです。
軽量性もあり、自転車部品に長く使用されています。

PA610樹脂は「ひまし油」が原料のセバシン酸(COOH-(CH2)8-COOH)とヘキサメチレンジアミン(石油由来)をモノマーとして製造されるポリアミド樹脂であり、炭素基準で63%がバイオマス由来です。

[製品例2]ダイセルPA AH39L4:
植物由来ポリアミドベース
高機能グレード

AH39L4は同じく植物由来ポリアミドPA610樹脂をベースに摩耗性を低減し、持続的帯電防止特性を付与したグレードです。合わせて剛性・耐衝撃性・耐熱性のバランスを整えました。
摺動性部品・回転部品に適しています。

特殊特性 測定方法 測定結果
帯電防止性
(表面抵抗率)
ASTM D257 1 × 1013 Ω
低摩耗性
(動摩擦係数)
往復摺動試験 0.1 gf
試験条件
荷重: 100 g
摺動速度: 50 mm/sec
摺動回数: 1,000 回
相手材: 同材

表:ダイセルPA 植物由来ポリアミドベース製品物性表

特性 測定方法 測定条件 単位 XBG828 AH39L4
引張強さ ISO 527 MPa 160 84
曲げ強さ ISO 178 MPa 270 95
曲げ弾性率 ISO 178 MPa 12,800 3,100
ノッチ付シャルピー衝撃強さ ISO 179 /1eA 23 ℃ kJ/m2 8 14
荷重たわみ温度 ISO 75 1.80 MPa 200 120
0.45 MPa 220 210
密度 ISO 1183 g/cm3 1.16 1.18

2. セルロース
ミクロフィブリルを配合した
PP樹脂コンパウンド
『セルブレンC』

セルブレンC』はポリプロピレン(PP)樹脂に、
木材パルプを解砕して得られるセルロースミクロフィブリルを独自技術により複合化した、
地球にやさしい熱可塑性樹脂材料です。

セルロースはグローバルな資源分布が均等のため、特定の国・地域に依存しません。また非可食性バイオ資源であり、食料資源に影響を与えません
石油由来のPP樹脂に対し植物由来の素材を配合することで、製品(成形物)のバイオマス度向上に寄与します。またセルロース繊維は有機物で、PP樹脂と同様に燃焼するため燃焼残渣が無く廃棄物削減につながります

セルロース繊維は代表的な無機繊維より低密度のため、高濃度でも軽量となります(セルロース 1.5 ⇔ ガラス 2.6)。
さらにタルクなどの無機フィラーとは異なり、鋼材(相手材)をほとんど摩耗させません

表:無機繊維との特性比較

繊維種 密度(g/cm3) 弾性率(g/d) 強度(g/d)
セルロース系 木材パルプ 1.5 150〜550 7.8〜14
無機系 炭素繊維 1.8 1,450〜1,850 30〜37
ガラス繊維 2.6 330 14
スチール 7.15 330 6.3

図:セルブレンCと各種フィラー配合PP材との摩耗性比較

相手材料: 鋼材(S45C)
滑り線速度: 15 cm/sec
面圧: 10 kgf/cm2
接触面積: 2 cm2
摺動時間: 24 hrs
摺動距離: 12.96 km

セルブレンCの主なグレードラインナップには次表のような3種類があります。セルロース繊維濃度は最大で54%の配合が可能で、マスターバッチとしても利用できます。表のグレードはパルプ原料に木材パルプを採用しています。他に竹パルプ由来のセルロース繊維を複合化した製品も上市しています。

表:セルブレンCの主要グレードラインナップ

特性 測定方法 測定条件 単位 CP103 CP114 PBG150
セルロース繊維濃度 wt% 30 40 54
引張強さ ISO 527 MPa 47 46 50
曲げ強さ ISO 178 MPa 57 80 83
曲げ弾性率 ISO 178 MPa 3,000 4,600 5,500
ノッチ付シャルピー衝撃強さ ISO 179 /1eA 23℃ kJ/m2 5 3 2
荷重たわみ温度 ISO 75 0.45 MPa 140 155 155
密度 ISO 1183 g/cm3 1.03 1.07 1.14

セルブレンCは音響特性に優れ、楽器部品などを中心に採用されています。

現在、自動車内装用途などへの展開を見据えた射出成形用高流動グレード建材利用を想定した押出用途での活用を検討しています。

今回はバイオ素材を生かした製品群として、植物由来ポリアミドを活用した高機能PAコンパウンドや、セルロース繊維複合樹脂『セルブレンC』を紹介しました。

これらの製品につきましては、以下お問い合わせより
「成形加工用樹脂コンパウンド…」を選択し、ご相談ください。

 
 

成形加工シンポジア’22にて優秀ポスター賞を受賞しました

開発

 
2022年11月28日(月)、29日(火)に開催されましたプラスチック成形加工学会 第30回秋季大会に
口頭発表、およびポスター発表いたしました。また、本大会にて、成形加工シンポジア’22優秀ポスター賞を
受賞いたしましたことを合わせてご報告いたします。
 
 
=== プラスチック成形加工学会 第30回秋季大会概要 [概要] ===
 
【スローガン】京都議定書から25年、プラスチック成形加工のこれから
【日程】   2022年11月28日(月) ~ 2022年11月29日(火)
【開催形態】 対面開催
 
【当社社員の発表内容】
レーザ表面加工を用いた金属樹脂接合における気密メカニズム検討
発表者:
 DLAMP・接着室 宇野 孝之
要旨 :
 レーザ表面加工を用いた金属樹脂接合における気密メカニズムの解明に向け、
 樹脂特性の違いと金属表面の凹凸形状の違いが気密性に及ぼす影響について検討した。
 強度発現メカニズム(アンカー効果)とは異なる考え方が必要であることを明らかにした。
 加熱SEM-DIC法により、異なる凹凸形状毎の接合部に生じるひずみを可視化することで、
 接合部の隙間発生リスクの違いをミエル化した。

プラスチック成形加工学会については、HPをご確認ください。
URL :https://www.jspp.or.jp/index.html
 
 
本件に関するお問い合わせは、以下よりお寄せください。

 お問い合わせはこちら

第2回『サステナブルマテリアル展』に出展します

サステナビリティ

当社は、12月7日(水)~9日(金)に幕張メッセで開催される第2回『サステナブルマテリアル展』に、
株式会社ダイセル、ポリプラスチックス株式会社と共同出展いたします。

本展示会は、生分解性樹脂やセルロースなどの環境配慮型素材の他、リサイクル可能材料等、
サーキュラーエコノミーの実現に向けた技術、資源、材料が一堂に集まる、「サステナブルマテリアルの総合展」です。
 

展示ブースでは、5つのテーマに沿って、ダイセルグループ各社によるユニークな商材、技術をご紹介します。

その① バイオマスを活用したダイセルグループの数々の機能性商材
その② ダイセルグループ商材のリサイクリング技術
その③ 排出されるC02を再び資源として利用するための技術開発の最先端
その④ 新しい木材有効活用法
その⑤ 酢酸セルロースを原料とした海洋分解性樹脂
 

当社からは、セルブレン®Cセルブレン®ECおよびリサイクル樹脂の紹介を行います。
皆さまのご来場、心よりお待ちしております。


 

第2回『サステナブル マテリアル展』に出展します
第2回『サステナブル マテリアル展』公式ページ

ヘテロ界面制御部会&材料機能ドライプロセス部会で講演しました

開発

 
2022年11月11日(金)に開催されました ヘテロ界面制御部会&材料機能ドライプロセス部会 合同例会にて
講演いたしましたことをご報告いたします。
 
 
=== ヘテロ界面制御部会&材料機能ドライプロセス部会 合同例会 [概要] ===
 
【テーマ】 ドライプロセスを用いた異種材接合技術の最新動向
【共催】  (一社)表面技術協会/ヘテロ界面制御部会, (一社)表面技術協会/材料機能ドライプロセス部会
【日程】  2022年11月11日(金)
【開催形態】対面開催
 
【当社社員の講演内容】
レーザを用いた金属表面処理技術と金属異種材料接合への応用
発表者:
 DLAMP・接着室 宇野 孝之
要旨 :
 ・レーザを用いた金属表面処理技術(DLAMP®)
 ・金属表面凹凸の形成メカニズム
 ・金属樹脂接合における強度特性
 ・金属樹脂接合における気密性能
 ・金属異種材料接合の応用例

一般社団法人 表面技術協会については、HPをご確認ください。
URL :https://www.sfj.or.jp/index.html
 
 
本件に関するお問い合わせは、以下よりお寄せください。

 お問い合わせはこちら

 

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合わせは
こちら